都内の深煎りコーヒーが美味しい自家焙煎コーヒー店5選

深煎りコーヒーの魅力

ここ20年くらいでスペシャルティコーヒーが浸透し、さらにここ数年では、サードウェーブのコーヒーも認知されてきていますね。

サードウェーブの代表とも言えるブルーボトルコーヒーは、現在でも非常に人気があり、それに伴い、コーヒーの焙煎度合はどんどん浅くなっています。北欧のコーヒー豆を扱うコーヒーショップが増えたのも浅煎りに拍車をかけています。

コーヒーをフルーツのように捉えて、そのフレーバーを最大限に生かす浅めの焙煎をしたコーヒーは、フレッシュで酸が生き生きとして苦味はがなく、今までコーヒーが飲めなかった層にも受け入れられています。

浅煎りのスペシャルティコーヒーは本当に美味しいですが、では深煎りのコーヒーは美味しくないのか?

いえ、そんなことはありません。

深煎りコーヒーには、深煎りコーヒーにしか出せない魅力があります。これらは全く別物です。同じコーヒー豆ですが、優劣ではなく、別ベクトル、別ジャンルとして捉えなければならないと思います。

そもそも世界的な傾向が浅煎りの苦味がないコーヒーだからといって、それに合わせる必要はありません。

世界的な基準では、苦味の評価項目がなく、単純にネガティブな要素として捉えられてしまいますが、日本人は苦味の楽しみ方を知っています。

スペシャルティコーヒーはアメリカ主導だと思いますが、ワインにおいてもアメリカの専門家の評価は概して単純。わかりやすいもの、はっきりしたものが良い点を取ります。

もちろんそういったワインやコーヒーも必要ですし、多くの方に喜ばれるのはわかりやすい方でしょう。

そのため、深煎りコーヒーは絶滅危惧種のようにどんどん減っていますが、全国には、頑なに深煎りを守り、極上のコーヒーを提供するコーヒー屋があります。

今回は都内に限定した深煎りコーヒーが美味しい自家焙煎店を紹介します。都内の深煎りコーヒー屋の代表とも言えた大坊珈琲店が閉店してしまったのは大きな損失です。

十一房珈琲店

銀座の名店、十一房珈琲店。昔ながらの喫茶店で、味わい深い心地よい雰囲気の中、自家焙煎のコーヒーをネルドリップでいただけます。浅煎りもありますが、深煎りの方が多く、概して深煎りコーヒーが美味しいです。

深煎りコーヒーのデミタスとか、上手く焼けたものに出会えた時は抜群に美味しいです(抜群にいい時とそうじゃない時がある)

オールドヴィンテージのコーヒーもいつも何か一種類あり、それも独特の香味があって良いです。

カフェ・ド・ランブルの系統の中では控えめで一歩引いたバランスの取り方が絶妙です。

十一房珈琲店の店舗情報

住所:東京都中央区銀座2-2-19

電話番号:03-3564-3176

営業時間:[月~金] 10:30~22:30 [土・日・祝] 12:00~21:30

定休日:なし

山猫珈琲店

明大前にある古ーい寂れた喫茶店ですが、非常に味のある山猫珈琲店。店主は十一房珈琲店に居た方ですね(居た時に行ったことはありませんが)

十一房珈琲店よりマニアックで雰囲気含めて敷居が高い感じがします。一見さんが入りにくいような(実際は普通に入って大丈夫ですが)

ネルドリップで点てる深煎りコーヒーは、重厚な深みを感じます。

山猫珈琲店の店舗情報

住所:東京都世田谷区松原2-28-11 108

電話番号:03-3322-6522

営業時間:

定休日:

なつみ珈琲店

スペシャルティグレードのコーヒー豆を深煎りにする武蔵境のなつみ珈琲。クラシックなスタイルの深煎りコーヒーとはまた違った魅力があります。惹かれる銘柄ばかり。

深煎りにしてもコーヒー豆の個性をきちんと感じられる素晴らしいコーヒーが多数あります。

なつみ珈琲店の店舗情報

住所:東京都武蔵野市境2-7-2 センチュリー雅 1F東

電話番号:0422-56-9281

営業時間:

定休日:

宮越屋珈琲

札幌を代表するコーヒー屋ですが、新橋のお店は焙煎機もあり、雰囲気も良い。札幌は深煎り主体の雰囲気ある喫茶店がたくさんあります(あったなのかな?)その代表というか一番メジャーなお店が宮越屋珈琲です。

何店舗もあるので店舗ごとの差はありますが、新橋のお店はかなり良い方な気がします。大きなネルで点てるアイスコーヒーは見ていて絵になります。非常にこんもり盛り上がります。

コーヒー豆は北海道焙煎のものと新橋焙煎のもの2種類あるようです。どの程度違うかちゃんと飲み比べてみたいですね。

宮越屋珈琲の店舗は東京にもいくつかありますが、何度も行っている新橋店の店舗情報を載せておきます。

宮越屋珈琲 新橋店の店舗情報

住所:東京都港区新橋1丁目7-10 汐留スペリアビル

電話番号:03-3573-8188

営業時間:10:00 〜 24:00(日曜・祝日23:00迄)

定休日:

北山珈琲店

上野にある癖の強いコーヒー屋である北山珈琲店。おしゃべりもダメだし、本読んだりするのもダメ。コーヒーと真剣に向き合う必要があります。

北山珈琲もカフェ・ド・ランブルなどと同じようにオールドビーンズを使いますが、カフェ・ド・ランブルより深めの焙煎で、デミタスに点てた珈琲は味わいも濃厚です(どちらが良いという話ではない)

北山珈琲店の店舗情報

住所:東京都台東区下谷1-5-1

電話番号:03-3844-2822

営業時間:12:00~19:00

定休日:月曜


紹介したお店はなつみ珈琲店以外はクラシックな銘柄を扱うコーヒー屋です。スペシャルティコーヒーを扱うコーヒーショップでは、深煎りに焙煎するケースはほぼ皆無で、なつみ珈琲が例外だと思います(全国的にみるともっと色々とあります)

深煎りやフレンチローストを置くスペシャルティコーヒーのお店もなくはないですが、クラシックなコーヒー屋ほど焙煎は深くなく、スペシャルティ店のフレンチローストでクラシックなコーヒー屋のフルシティローストくらいです。

それでも、少しずつ深めに焙煎するスペシャルティコーヒー店は増えてきたように思います。

絶対にこうでなければならないという一つの解はないと思います。どんなスタイルでも美味しいお店もあれば美味しくないお店もあるだけです。

様々な味わいのコーヒーがあった方が、単純に楽しいです。旧スタイルの深煎りコーヒーではない新しいタイプの深煎りコーヒーが誕生することも楽しみにしています。