ヴァン・ナチュールに対する考え方の変化

ヴァン・ナチュールからクリア・ナチュラルへ

ジェラールシュレール

数年前はヴァン・ナチュールばかり飲んでいました・

フェスティヴァンなどのイベントにも行きましたし、結構色々な種類を飲んだと思います。

当時から、これって美味しいのか?と疑問に思うこともよくありましたが、ヴァン・ナチュールじゃないとワインじゃないくらいの勢いで飲んでました。

ですがここ数年は考えを改めています。ヴァン・ナチュールのワインはインパクトがあり、わかりやすい美味しさがあると思います。

その土地の味わい、テロワールの理解することを考えた時、ナチュールのワインは、その土地が見えてこないものが多いように感じます。

個性的なところが、ヴァンナチュールの魅力と思っていましたが、個性というか、癖っぽい味わいに感じるようになり、その癖は醸造上の欠陥なのでは?と思い始めました。癖っぽすぎるやりすぎなワインを造り手の個性だと評価するような風潮がありますが、単に技術不足のように感じます。

そして多くのナチュールのワインは、同じような不必要な味わいを感じます。逆にナチュールばかり飲んでいた時には、普通でつまらないと思っていたワインは、細かいディティールに富んでいて、きちんと個性を感じるようになりました。

状態が安定しないのも扱いずらい要素です。マメったり、開けて急速に味が変化したりするのはお店としては使いづらいです(とはいえ、今はたくさんのナチュール専門のお店がありますよね。すごいと思う)。

ナチュールから距離を置くと言うと、ナチュラルなワインが好きではないと思われるかもしれませんが、そうではなく、ワインはナチュラルに造るべきだと思っています。

ナチュラルに栽培してクリアに仕上げたワイン、クリア・ナチュラルなワインが今、一番求めているものです(ヴァン・ナチュールでやっぱり良いなと思う造り手ももちろんいます)。

クリア・ナチュラルなワインが、一番、土地の個性を表現するように思います。

ナチュラルなワインの中でもビオディナミのワインに特に共感します。ビオディナミのワインはビオ臭がするように認識している方も多いですが、実際は関係なく、それは造りの問題です。

真っ当なビオディナミのワインは癖はなく、引っかかりもなく体に染み込むワイン。まっすぐ芯があり、宇宙と大地のつながりを感じるのがビオディナミです。