グランクリュカフェGrand Cru Cafe〜シャンパンボトルのコーヒー〜

グランクリュカフェを初体験

グランクリュカフェ、グランクリュって言ったら、まず思い浮かぶのはワインの格付け。まさにその通りで、このグランクリュカフェは、農園にこだわり、さらに農園内のセクションにこだわり、製法にこだわり、保管にもこだわった、ある種、究極のコーヒーです。

値段も飛びぬけていて33万6千円!なんだそれって思いますが、これ10キロの値段です。10キロ単位での販売なんですね。これまたすごい。

もちろん10キロのコーヒー豆が一度に届いちゃったら、どんなにコーヒーが好きな人でも大変ですから、生豆の状態で1年間保管してくれて、好きなときに500グラム単位で焙煎して届けてくれると言うスタイルです。そしてコーヒー豆はシャンパンボトルに入って届きます。

10キロで33万なので、100g3千円(焙煎したら量が減るので、100g4200円みたいです)。そう考えると、高いけど、なくはない?これくらい高いコーヒー豆は他にもありますね(もっと高いコーヒー豆もある)。

このグランクリュカフェを販売しているのはMi Cafeto(ミカフェート)。ミカフェートの代表である川島良彰さんは、以前に紹介した幻のコーヒーであるブルボンポワントゥを復活させた人でもあります。

最初、このグランクリュカフェを知ったとき、シャンパンボトル?33万?こういうのって見掛け倒しなんだよねぇって思ったりしたのですが、ブルボンポワントゥともつながりを知り、これは本当に美味しいんじゃないかと期待が膨らみました。

今でこそ現地のコーヒー農園に足を運ぶ人も多いですが、川島さんは、コーヒー農園に訪れるだけではなくて、実際に栽培にも関わっている人なので、信頼度は高いですね。

さすがに33万は高いので、なんとか飲めないかなぁって思っていたら、なんと試飲ができるとのことで、さっそくミカフェートさんに行ってきました。

ちょっとこの試飲、期待以上に面白かったのですが、直接川島さんから説明を受けることができ、一人セミナーみたいな感じ。わざわざすみません…。

グランクリュカフェの特徴を説明してくれたのですが、実際にコーヒー豆の栽培や精製をしたことのない僕には結構驚きの内容でした。

本で読んだだけの、精製方法はウオッシュト、セミウオッシュト、パルプドナチュラル、ナチュラルがある…だけの知識では分からない細かい部分の話を聞くことが出来て興味深かったです。

コーヒー豆専用のセラーなんかもあって(ここで1年間保管する)、見せてもらいました。

グランクリュカフェで使われているコーヒー豆は6種類。グァテマラのサンセバスティアン農園コンセプションドゥラスノ、エルサルバドルのセルバネグラ農園レセルバケニア、パナマのコトワ農園ボゴ、パナマのカルメン農園、レセルバデファミリア、コロンビアのランチェリア農園カサデトゥルピアル、コロンビアのベジャビスタ農園グアジャバル。

農園の後に書いたのはセクション名。グランクリュカフェのために栽培されたこだわりのセクションです。このセクション以外のコーヒー豆は、グランクリュカフェ以外にも使われていて、日本でも普通に飲めるものもあります。

いただいてきたのは2種類。グァテマラのサンセバスティアン農園と、パナマのカルメン農園です。抽出はペーパードリップ。

最初にグァテマラを他のロースターのスペシャルティコーヒー2種と比較する形で飲んだのですが(同じくグァテマラのコーヒー)、比べると違いが明確でした(といっても2種のうち1種はとっても美味しいコーヒーでした。どこのものかは教えてくれなかったけど)

もう香りから力強い。甘く少しクセのある香り。生豆の状態でも香りを嗅いだけど素晴らしい香味でした。

焙煎はミディアムハイくらいか?そんなに深くはないです。苦味はなし。強いんだけどキレのある酸。力強いボディー感、旨味もしっかり、広がりがあって嫌味がない。クリアな味で雑味が全然感じないんですね。ハンドピックなどにもかなり力を入れていて、かなり豆が減っちゃうみたいなんですけど、きちんとやればここまで雑味が取り除けるのかという…(自分で飲むときハンドピックしないからなぁ。ちゃんとやらなきゃ。雑味も味のうちみたいな…)。

パナマのカルメン農園もとっても美味しかった。レセルバデファミリアっていうセクションは、ファミリアって言葉が示すとおり、もとは家族のためのセクション。販売用ではなかったんですね。

非常にフルーティ、かつ凝縮感のある旨味、酸味、グァテマラよりさらに力強くしっかりしたボディ。長く続く甘さを伴ったアフターテイスト。美味しさだけを集めた凝縮感。

本当に美味しいコーヒー。試飲したら残りのコーヒーも全て飲みたくなりました。だれか一緒に買ってくれないかな。

コーヒーの文化も多様化していて、グランクリュカフェみたいな本当にこだわったコーヒーが出来たのはうれしいことだと思う。反面、コーヒーは気軽に飲むものだから、単純に味比較ではなくて、コストパフォーマンス優れたコーヒーもやっぱり良いよねって思います。スペシャルティコーヒーじゃなくても美味しいコーヒーもあるしね。

グランクリュカフェを購入した話はこちら