ガトーショコラとコーヒー

ガトーショコラ 〜gateau chocolat〜

僕はレストランで働いていて主にお菓子作りをすることが多いのですが、ガトーショコラもよく作る。


ガトーショコラはまぁ簡単なお菓子だけれども、ちょっとした作り方の違いで味が結構変わる。それがコーヒーの焙煎に似てるとか勝手に思っています。もちろん他のお菓子や料理も、技術や手順の違いで味は変わるんだけど、ガトーショコラは、使う素材が少なく、かつ味の変化が顕著だと思う。


卵黄のブランシール(砂糖とあわせて白くなるまで混ぜる)、メレンゲの立て方、材料を合わせる順番、合わせ方、オーブンの種類(ガスか電気かとかね。お店には3種類のオーブンがある)、加熱温度、焼き時間。これらの要素を変えるだけで、食感や味が変わる。
使っている材料は同じ。分量も同じ。でもずいぶんと味が変わるから面白い(材料はナッツを加えたり、オレンジの皮を加えるなどアレンジすることもあるけどね)。


今、目指している味は、名古屋のコーヒー店、カジタのグランクヴァ。グランクヴァはヴァローナの同名のクーベルチュールを使っているので、自分のお店とはチョコの種類自体違うんだけど、味はともかく色々と工夫すると食感などは近づけることが出来る。(でも全然グランクヴァの方が美味しいけど)


そうそう、カジタはお菓子がやたらと美味しい。旦那さんがコーヒー、奥さんがお菓子っていうスタンスなんだけど、コーヒーももちろん美味しいけど、お菓子に負けてしまう。組み合わせ次第なのかもしれないですが(カジタはホリグチさんのLCFグループ。中でも有名なお店ですね)。


一回だけもう本当に美味しいなっていうガトーショコラが作れたことがあります。食感も理想的(ネットリ濃い感じ)で、コクや甘味の広がり方もすごく良かった。でもそれが作れたのは一回きり。そんなところもコーヒーの焙煎と似ている。何が良かったのかわからない…。