熟成したワインの世界

熟成ワイン

ワインの一番の魅力はなんといっても熟成だ。ワインの古酒はヴィンテージの若いワインにはない味わいと感動があります。

ワインの古酒は昔から好きですが、最近割りと飲む機会があり、改めてその魅力にとりつかれています。

熟成の過程で味が抜けていき、加えて新しい複雑な成分が生まれていく(もう少し詳しく書けるけど、まぁいいよね)。なんとも不思議な話で、まだまだわからないことも多いみたいですが、ボトルの中の変化は研究している人たちでも50年程度までしかわからないとも聞きます(まぁコーヒーのオールドビーンズやウイスキー、プーアル茶なども一緒ですね)。

ヴィンテージのそれなりに古いワインは、ゆっくりグラスの中での変化を楽しみながら飲むのが楽しい。一口味を見るくらいでは美味しさがわからない。あーこんなもんかと思ってしまうかもしれないです(中には一口で理解できてしまうものもあるが)。

ゆっくり飲んでいくと、体に染み入っていく感覚、酔い方がとても気持ちがいいんですね。やさしく体全体を包んでいくような酔い方。もうはっきりいって料理もつまみもいりません。ワインは完全に食中酒ですが、古酒はそれだけで楽しめます。というか他は邪魔です。

飲むのに必須なのはパニエ。澱を十分にしずめたワインをパニエでやさしく注ぐのがいいですね。デキャンタは必要なし。何回かデキャンタージュも試してますけど、一瞬まろやかにはなるんですが、その後の変化が急激になってしまいますね。

出来るだけワインに負荷をかけないのがいいと思います(中にはデキャンタージュしてさらに3日後に味がピークになったのもあったので、全てがいらないかはわかりませんが基本必要ないはず)。

ワインの古酒はかなり高価なのでそんなに頻繁に飲めないのが悲しいですね。しかもわかってないといけないのは、当たり外れがある(ボトル差がある)こと。仮にまずくても怒らない、あきらめられる気持ちがない方は古酒には手を出さない方がいいでしょう。

70年代のワインなんて、ラフィットなんかでも、ワインをボトルに詰めるまでに6ヶ月くらいの差があった(最初と最後で熟成期間が6ヶ月違うってことね)なんて話も聞いたことがあるし、もっと前はシャトー元詰めじゃなかったわけですから(シャトー元詰めは1923年のムートンから)、業者による差、不正などがあるとも聞きます。

ガラス瓶が普及する以前は、ホッグスヘッドの樽でワインは売られていたそうで、それって飲み終わる頃には完全に酸化しているように思うのですが、大丈夫だったんでしょうかね。
飲んだワインの話は次回にまわそう。