テロワールが感じ取れるコーヒー
僕がワインを飲む時に最も意識している部分はテロワールを表現しているか否かです。
単純な美味しさより、その土地らしさを重視しています。
ワインを飲む時に一番テロワールを考えるとはいえ、ワイン以外の飲み物や食べ物を食べる時にも、意識して飲食することも多いです。
毎日の普通のご飯では意識しませんが、旅行でどこかに行った時や、特別な食材の場合は考えながら食べたり飲んだりします。
ワインが一番わかりやすいですが(それには理由がある)、ほかのものも必ず土地を表現しています。
水とかもわかりやすいですね。日本だけでも色々な地域の水を比べて飲むのはとても楽しいです。
コーヒーはどうか?
コーヒーも僕は土地の個性を探りながら飲むことが多いです。ですが、これがなかなか掴めない。
理由は色々とあると思いますが、もっとも大きいのはロースターの影響だと思います。
コーヒーは良くも悪くもロースターの個性が強すぎる。生産者の思想以外の部分が入ってしまうんですよね、ほぼ必ず。
抽出ももちろん大きいですが、それ以上にロースターの個性が前面に出ている感じがします。
10年前に全国のコーヒー屋を周っていたのは、そういったロースターの個性を楽しむためで、それはとても面白かったのですが、テロワールを意識した時にはそれが足かせになってしまいます(前も書きましたが)
ではどんなロースターを選ぶか。生産者が自ら焙煎して抽出したものを飲むのが一番良いとは思いますが、無理ですよね。
先程、生産者の思想と書きましたが、それもいらないんじゃないかと言われそうですが、それは必要です。色んな人の思想が入り混じってしまうのがわからなくなる原因です。生産者の一貫した考えだけが入ったコーヒーなら、テロワールが見えるはずです。
さっき水の話も少し書きましたが、水も現地のものがベストでしょうね。それも無理だけれど(逆に色んな水でコーヒーを飲むのもまた楽しいですが)
生産者以外の思想が極力入らないために選ぶべきロースターは、今まで好感を持てなかったタイプのコーヒー屋かもしれません。
それは、フロム・ビーン・トゥ・カップとか、コーヒー豆はフルーツだ、的などこかで聞いたことのあることばかり謳っているコーヒー屋です(それ自体が悪い言葉ではなく素晴らしい思想だと思いますが)
受け売りのみで自分がないコーヒー屋。それでいて焙煎がきちんと上手いお店。そんなところがいいな(ってどこだ?)
とか言いつつも、コーヒーはやはり色んなお店で飲むのが楽しく(味だけではなくお店造りやメニュー、雰囲気とか含めて)、テロワールは抜きにして楽しんでしまうでしょうね(今は良くわからないから考えるのをやめる)
テロワールのことは頭の片隅に常に置きながら、色んなロースターの個性あるコーヒーを楽しんでいきます(土地の個性はいつか理解したいものです)