コーヒー豆のエイジング

コーヒー豆の熟成の話

コーヒー豆のエイジングの話。エイジングといえばエスプレッソ。エスプレッソ豆は焙煎後2~3週間くらいエイジングすると味のピークを迎えると言うのはもはや一般的ですね。


ですがエスプレッソ以外のコーヒーに関してはエイジングに否定的な流れにあると思います。特にスペシャルティコーヒーに注目が集まっている今は、コーヒー豆=生鮮食品、的な考え方が強く、コーヒー豆はニュークロップ、焼きたて、挽きたて、淹れたて、がベストと言う考え方を持つ人が多いと思います。


それはそれで間違いないことなんだけど、実際はエイジングしたコーヒーも美味しい。


有名なところだと、ランブルのオールドビーンズがありますね。生豆を何十年も寝かせたコーヒーは独特の香味をもっていてクセになる味。北山珈琲もオールドビーンズで有名ですね。


他にもオールドビーンズを売りにしているお店は意外なほど多いのですが、生豆をエイジングするのではなくて、焙煎した後のコーヒー豆をエイジングするお店ってのもちゃんとある。


オールドビーンズは知っていても、焙煎した後はすぐに飲まないといけないと思っている人も多いのではないかと思います。僕も初めて聞いた時は驚きました。


あるお店で飲んだコーヒーの味がまとまりがなく、それを店主に言ってみると、「これは焙煎したばかりだから、10日後くらいが一番美味しいんだよ」って言われたこともあります。豆を買う気がなかったのに、それを聞いて購入を決意。10日経ったコーヒー豆はたしかに美味しくなっていました。10日以降もどんどん味が変化していきましたしね。


別にコーヒー粉にお湯を注いだときに膨らまなくても美味しいコーヒーもあるんです。ただ抽出は膨らまないとかなり難しくなります(陥没しちゃうと厳しいかな)。


他にも焙煎してから1ヶ月は店に並べることさえしないお店もある(豆にもよるけど2ヶ月目くらいが美味しいんだとか。半年とか全然持つ。しかもそこの豆は2ヶ月経っていても湯を注ぐと膨らむ)。


一応、1ヶ月をめどに飲んでくださいって言っているけど、本当は全然もつんだよって言うマスターもいたし、開店してから豆を継ぎ足し継ぎ足ししているお店もあった(うなぎのタレか?)。


そして今度は抽出したコーヒーのエイジング。10年以上、樽で熟成させたコーヒーもあるし、抽出したコーヒーをワインボトルに詰めて、ワインと同じように空気ヌキしたコーヒーを出すお店(ここは数日から数週間のエイジング)や、数年熟成させた水出しコーヒーも飲んだことあるし、ちょっと違うけど、ワインのようにデカンタージュ(大きなフラスコみたいのに移す。空気に触れさせることを目的。これも一つのエイジング効果がある)するお店もある(でもこのコーヒーは飲んでもよくわからなかった。普通に美味しいけどね)。


なんにしても言えることは、これらのコーヒーがちゃんと美味しいということ。ニュークロップも美味しいし、オールドクロップも美味しい。焙煎したてが美味しいコーヒーもあるし、時間を置いたほうが美味しいコーヒー、または時間の経過を楽しめるコーヒーというのが本当にある。

(ただし酸化をさせないように保管する必要がある)
ある有名店のニュークロップは買ったときに飲んだら、メチャクチャ美味しかったのに、ためしに一ヶ月置いてみたら、飲めないくらいになっていた。同じ条件で保管していた別のお店のコーヒー豆は普通に美味しかった。


変な型にとらわれないで、いろんな事をためしてみたらコーヒーは本当に楽しい。