北山珈琲店〜静かに珈琲を飲む珈琲屋〜
北山珈琲店は上野にある喫茶店です。でも気軽な喫茶店ではないんです…。
お店の入り口には「珈琲が主役のお店」と書かれています。
さらにはトビラに「30分以上お断り」、「待ち合わせお断り」、「珈琲を飲むためだけのお店」と書かれた張り紙まで貼ってあります。すごいね。
狭いお店なんですが、珈琲豆が麻袋のまま積まれていたりしてゴチャゴチャしていて、狭いお店がさらに狭く感じます。
テーブル席は3つしかないのに、一つは物置と化していますね。
雑然とした店内ながら、お店の雰囲気は良いです。喫茶店好きが好みそうな感じです。
北山珈琲店のオールドビーンズの味
このお店の珈琲の特徴はオールドビーンズを使っているところ。銀座のランブルと同じこだわりですね。でも味わいはランブルのコーヒーとはかなり違います。
若いもので3年で、10年以上のものも揃っています。
メニューと一緒に珈琲豆の説明が書かれたものも出てきます。それによると、北山珈琲店の珈琲豆は普通の珈琲豆とは異なり、最上級の豆を長い年月をかけてじっくりと寝かせ、充分に熟成させてから直火焼きで丹念に豆の芯までじっくりと炒りあげているそうです。
熟成をすることで緑色だった珈琲豆は黄金色に輝きだします。通常の珈琲豆に比べると味に深味とコクが加わり上品でまろやかな味わいとのこと。
熟成させるのに手間がかかるし、最近の流れではないので今では少なくなってきたオールドビーンズ。ただその辺で寝かせておけばいいわけじゃないし、どんな豆でもエイジングすれば美味しくなるわけじゃないですしね。でもやっぱりオールドはオールドならではの魅力があります。
メニューには入り口と同じような禁止事項も書かれています。携帯なんかも禁止だそうです。とりあえず珈琲を楽しむ以外のことはダメです。
コーヒー味の濃さは4段階あり、薄め、中、濃い目、濃厚とあります。濃厚になると値段が上がります。アイスの場合も値段が高いです。
ブルーマウンテンの濃厚を頼むと1杯2500円もします。この珈琲豆は12年熟成なので、この期間を考えると安い気はしますが、珈琲1杯に2500円は出せないなぁ。この豆を買って帰ると100g5000円です。ちゃんと考えると安いんだけど、一瞬ビックリしちゃいますよね。
前日までに予約が必要な「生珈琲」なんてものもあります。低温抽出って書いてあったけど水出しとは違うのかな?(別の日に飲んだけど、濃厚な水出しコーヒーですね。上にクリームが乗っていて、これは美味い)
出てくるまで結構時間がかかります。店内には張り紙がたくさんあって、「ネルドリップで丁寧に淹れるため時間がかかる。風味がとぶから、すこしぬるいが温め直しはしない」とか「濃厚を頼んだら、水は珈琲を飲んだ後に出す」なんてことが書かれています。
焙煎は深く、濃厚なコーヒーは、初めて飲む場合、びっくりしちゃうかもしれないです。でもただ濃いだけじゃなく、旨味、甘味がしっかり感じられるコーヒーです。スペシャルティコーヒーとは全く違った魅力があります。
お店のマスターは珈琲抽出200万杯を越えているとも書いてあります。40年以上も珈琲を淹れ続けているようです。
このお店に来るのは本当に珈琲が好きな人なんでしょうね。お客さんを選ぶお店、人によっては怒っちゃいそうですね。ちょっとビクビクしながら飲んでましたが、実際にはそんなに厳しいわけではない気もします。30分過ぎたから怒られるなんてことはないと思います(昔は相当厳しかったみたいですね。カウンターに仕切りがあって奥が見えないのも、抽出姿を盗み見る同業者が多く、後につけたみたいだしね)。
なんにしても希少な珈琲豆が楽しめるお店ではあるので、こういったお店がなくならないことを望みます。在庫どのくらいあるんだろ?
北山珈琲店の店舗情報
住所:東京都台東区下谷1-5-1
電話番号:03-3844-2822
営業時間:12:00~19:00
定休日:月曜