スペシャルティコーヒーの焙煎をしてみたい!

色んなスペシャルティコーヒーを購入して、抽出方法も色々と試した後はコーヒーの焙煎に関心が向かうのは自然な流れだと思います。

コーヒーの焙煎自体は簡単な道具さえあれば可能で、今は小型の焙煎機もありますが、まずは手網焙煎がいいでしょう。

コーヒーを焙煎は、コーヒー豆に火を入れるだけなので簡単ですが、思い通りの味わいに仕上げるのは非常に難しいです。

ですがスペシャルティコーヒーは粒も揃っていて状態も安定しているので、初心者にも比較的簡単に焙煎出来ると思います(あくまでそれっぽくなるという意味ですが)。

スペシャルティコーヒーの生豆を購入する

コーヒー

スペシャルティコーヒーの生豆を輸入している商社で品質が高いのはアタカ通商とワタルだと思います。

スペシャルティコーヒーを独自のルートで仕入れるコーヒーショップも増えてきましたが、基本生豆で販売していないですね。

アタカ通商もワタルも質の高いスペシャルティコーヒーを揃えていますが、ロットが大きいのはかなりネックです。ちょっと遊びで焙煎といった感じとはずれてしまいます。

ですがもし遊びではなく、本気でコーヒー焙煎をするつもりなら知っていた方が良い会社です。

スペシャルティコーヒー・ワタル

ワタルの名前は創業者の西林亘さんの名前から来ています。平成12年(西暦2000年)にSCAAに加入していますから、日本のスペシャルティコーヒーが広まる前から力を入れていたわけですね。

ワタルは、COE(カップ・オブ・エクセレンス)に選ばれたスペシャルティコーヒーを世界中でもっとも多く落札しているそうです。それはすごい。

順位ではなく量が1位ですけど、それでもやっぱりすごいですね。COEに選ばれたものは少なくともある一定のレベルには達しているわけですから、値段は高くなりますが安心出来ます。

コーヒー豆は登録しないと買えませんが(僕は登録してないです。今は焙煎もしないですし)、銘柄を見ることはサイトで出来ます。購入は確か5キロからだったと思います。登録しないと価格はわかりません(細かい情報も見れないようです)。

パナマ・ベルリナ農園や、パナマ・エスメラルダ、グァテマラ・エルインヘルトなど、有名銘柄が色々とありますね。

ワタルのオンラインショップのサイトを見るとスペシャルティコーヒーもランクで分けられています。トップオブトップ、トップスペシャルティコーヒー、スペシャルティコーヒーです。その下のランクのプレミアムコーヒーや、コマーシャルコーヒーもカテゴリーはありましたが、コマーシャルコーヒーは商品がありません。

COEのスペシャルティコーヒーも今はあまりないようです。時期の問題なのかな?

アタカ通商

商品・生産地の情報を不明な点も隠さず公開いたします、というスタンスのアタカ通商。ワタル以上に好きな銘柄のスペシャルティコーヒーが多い商社です。

アタカ通商は、1965年からジャマイカ・ブルーマウンテンを扱ってきたそうです。当時から高級志向だったのですね。

数年前の感覚では、ちょっとこだわりの強いスペシャルティコーヒー店は、みんなアタカ通商を使っているような感覚でした。サイトを久しぶりに見ましたが、デザインが変わってなくて安心しました。

アタカ通商もロットはやはり大きいですが、小さいものも中にはあるのかな?購入をきちんと考えている方限定ですが、サンプルを無償で送ってもらうことが出来ます。

ワイルド珈琲

現実的に、遊びでコーヒーの焙煎がしたい方が最初の購入するのはワイルド珈琲でしょうか?

スペシャルティコーヒーだけと言うわけではありませんが、ラインナップが豊富で500gからコーヒー豆が買えるのはお手軽です。

昔は結構お世話になりました。いつかまたコーヒー焙煎がしたくなったら、まずはワイルド珈琲からきっと始めると思います。

楽天・アマゾン

昔はコーヒー生豆を買えるところはかなり限られていましたが、今は楽天やアマゾンでも簡単に買える時代となっています。コーヒー豆の質や状態はベストとあ言えないかもしれませんが、慣れるまでの練習には良さそうです。

スペシャルティコーヒーを焙煎する道具

初めての手網焙煎

初めてのコーヒー焙煎は手網焙煎がおススメです。銀杏煎りを使えば簡単に焙煎出来ます。フライパンでも出来なくはないですが(やったことあります)、煎りムラが出すぎます。素人の焙煎とはいえ、ちゃんと美味しく飲めるコーヒーの仕上げたいので銀杏煎りがベストです。

銀杏煎りを使っての手網焙煎は、本格的な焙煎機を使ったコーヒー焙煎とは違うかも知れませんが、上手に焙煎出来た場合、メチャクチャ美味しいコーヒーが出来上がる可能性があります(なかなか難しいですが)。

コーヒーの手網焙煎に必要な道具

必要な道具は

  • 銀杏煎り
  • 軍手
  • うちわ
  • コンロ

絶対に必要なのはこのくらいでしょうか?

コーヒー手網焙煎の手順

コーヒー手網焙煎のやり方は簡単で、銀杏煎りにコーヒー生豆を入れてコンロの火で熱していくだけです。

コーヒー豆を焙煎する前に水、又はお湯で洗うやり方もありますので色々と試してみてください。絶対にこっちの方が良いというわけではなく、単純に仕上がりが変わります。

こればかりは自分の火の入れ方の癖を掴んで試行錯誤していくしかないです。

コーヒー豆を水やお湯で洗うと、焙煎した時に出るチャフは少なくなるので掃除はしやすいです。

水に濡れることで初期の温度上昇が緩やかになります。

コーヒー豆の量は150g〜250g程度が良いと思います。焙煎を安定させるためにも、毎回同じ量焙煎するのが良いですね。

コンロの火の強さは基本的に一定で強めに設定し、手網の距離で調節します。ですが、慣れてきたら、途中で火力を調節するのも楽しいです(難易度上がります)。

手網焙煎〜蒸らし、水抜き〜

最初は蒸らしです。少し遠めの位置で網を振り、コーヒー豆の水抜きをします。しっかりと中心部まで水が抜けないと、生焼けの味がします(高速焙煎機にありがちな味)。

蒸らしは10分くらいを目安にすると良いと思います。最初は重くて動きづらかったコーヒー豆がだんだん軽やかになって、色も付き始めます。

蒸らしをちゃんと行い、水抜きがしっかりできれば、後はどこで焙煎を終わらせても大丈夫です。火に近づけて焙煎を続け好みの焙煎度合まで煎り進めます。

手編み焙煎〜火に近づけて好みのロースト度合いへ〜

スペシャルティコーヒーだと浅煎りが基本ですね、もっともフレーバーが生きる焙煎度合です。

火に近づけてしばらく焙煎を進めるとパチパチとコーヒー豆が弾けていきます。これが1ハゼです。コーヒー豆の銘柄や火の入れ方で変わりますが、1ハゼは1〜2分続きます。

1ハゼが終わったら、ちょうど浅煎りの終わりくらいです。スペシャルティコーヒーでしたら、ここで焙煎を終わりにします。もちろんここで焙煎を止めないといけないわけではなく、あくまでスペシャルティコーヒーの一般的な焙煎度合というだけです。

もう少し焙煎を進めると2ハゼが起こり、深煎りになっていきます。個人的には2ハゼまで持っていき、火を止めて落ち着くまで動かし続け、その後冷ますという感じで仕上げることが多かったです。

1ハゼと2ハゼは音や弾け方が違います。火の入れ方によってはなかなか2ハゼが来なかったり、1ハゼ後連続して2ハゼが来たりします。

狙ったところまで焙煎を進めたら、火から下ろしてコーヒー豆を広げて、うちわで扇いで出来るだけ早く冷まします。ゆっくりだとどんどん火が入ってしまいます。それでも美味しくなる可能性はありますが、狙った焙煎度合からずれてしまいますので、早く冷ますのが良いでしょう。

自宅のコーヒー焙煎は庭がある人でもなければ、部屋の中で行うと思いますが(広いベランダがあればそっちの方がいい)、匂いとチャフが飛んで部屋が汚れるのには注意が必要です。

僕は余裕がなくて今は自宅焙煎はしていませんが、以前は結構やっていました。自分で焙煎したコーヒーは、プロのコーヒーに比べ当然劣りますが、それでも愛着が湧いて美味しく感じます。コーヒーにハマったら一度はやってみたいのが手網焙煎です。

数値ではなく感覚に頼るしかない手網焙煎。ですが、この感覚と研ぎ澄まして仕上げることこそコーヒー焙煎にしろ、料理にしろ大切で面白い部分だとも思います。

以前は手廻しの焙煎機を自作して焙煎していたこともあります。友人のコーヒー焙煎士も手廻しの焙煎機を使っていて(もちろん自作ではない)、以前にも書きましたが、手廻しだと終わった時の感覚で、その後コーヒー豆が良くなっていくかどうか分かると言っていました。その域まで行きたいものです。

ディスカバリー〜DISCOVERY〜

富士珈機の小型焙煎機、ディスカバリー。昔、何度かディスカバリーを使って焙煎したことがありますが、非常に良いです。大きな焙煎機と基本的に同じような工程で焙煎出来ます。本格的に焙煎している気分になれますね。見た目も良いですし。

味ももちろん美味しく焙煎出来ますが、焙煎機の大きさだけでも香味は変わりますので、大型焙煎機と同じ味ではありません。逆にディスカバリーならではの味が作れます。

焙煎できる量は200g程度と手網焙煎と同じくらいです。ただ連続で焙煎も出来ますし、疲れません。

ディスカバリーは55万円程度と焙煎機としては安いとはいえ、家庭で焙煎するだけだとすると高価ですね。ですがコーヒーマニアの中には持っている人がそこそこいます。すごい。

プロのコーヒー屋でもディスカバリーで焙煎しているお店を何度か見かけたことがあります。ですが多くのコーヒー屋は新しい生豆を仕入れた時のテスト焙煎に使うケースが多いようです。

煎っ太郎

煎っ太郎も小型の焙煎機です。良く言っていたコーヒー屋で使っていたので、自分で扱ったことはありませんが馴染みがあります。

見た目の洗練さはありませんが、だんだん可愛く見えてくるから不思議です。500gまで焙煎出来ます。

カルディ・コーヒーロースター〜KALDI Coffee Roaster〜

カルディ・コーヒーロースターは、使ったことはありませんが、手網焙煎の次の段階には良さそうですね。値段が5万円程度と焙煎機の中では破格に安い。

機能と言えるような機能はありませんが、温度などは測れるので、手網焙煎のような感覚に頼った焙煎から一歩進めると思います。ガスコンロに置いて使うようです。

世界中の方の焙煎プロファイルが色んなところで公開されているようですね。

自動で焙煎してくれる機械

ジェネ・カフェ〜Gene Cafe〜とかオッティモ〜OTTIMO〜、コーヒー生豆も毎月届くザ・ロースト〜The Roast〜など色々とありますが、個人的には自分で焙煎している感覚がある方が好みですね。人によっては便利だと思います。スペシャルティコーヒーにとって大切な鮮度は抜群ですから。


個人的にはコーヒー焙煎から遠ざかって何年も経っていますし、また始める予定はありませんが、焙煎はとても奥深いし楽しいです。昔より、質の高いスペシャルティコーヒー生豆が手に入りやすい環境なのも良いですね。

僕はまったくコーヒー焙煎に回す余力はないので、茶の湯同様、老後の楽しみということにしておきます。