現代のカクテル

ベンフィディック

進化するバーのカクテル

基本、カクテルは飲まないのですが、以前偶然本屋で立ち読みした「進化するBAR」という本が面白く、一年半前くらいに何店かバーに行きました。どのバーも本当に短い滞在時間で、そのお店のことを語るのはおこがましいですが、非常に楽しかったので記事にします。

この進化するBARは、平成28年に発売された本なのでちょっと古いです。読んだのは割と発売されてすぐですが、なかなか行けず数年越しの訪問です。

昔はよくバーに通ってましたが、基本的にモルトとか、コニャックとかの専門店に行っていました。珍しい古酒のリキュールとか置いているお店に行くこともたまにはありましたが、カクテルを飲みにバーに行ったのは数えるくらいかもしれません。

でも今のカクテルは凄いですね。新しいアプローチをみんな考えていて、想像を超える味わいのカクテルに出会えます。

いずれはワインカクテル、コーヒーカクテル(流行ってますね!)に取り組みたいですが、いかんせん、ワイン自体の理解がまだ足りてないので当分先になるでしょう。

進化するバーでは20のキーワードを取り上げて、現代のバーを紹介しています。

キーワードは

  • クラフトジン
  • ファーム・トゥ・バー
  • ボタニカル
  • メディカル・リキュール
  • ビターズ
  • インフュージョン
  • タパステイルズ
  • セイヴォリー・カクテル
  • モクテル
  • シェアラブル・カクテル
  • パンチ
  • スピークイージー
  • ボトルド・カクテル
  • バレルエイジドカクテル
  • コーヒー
  • 自然派割材(トニック)
  • スタンダードvsツイスト
  • ジャパン・プロダクツ
  • フードペアリング
  • バーテンダーvsミクソロジスト

です。ほぼ知らないことばかりでしたが、今見直しても興味深いものばかり。発売から数年経っているので、さらに発展して、新しいものが生まれているのかな?

特に興味を惹かれているのはインフュージョンです。以前から蒸留機が欲しいとは思っていましたが、進化するバーを読んでより思うようになりました。蒸留機を使わなくても単純に色々な素材をお酒に漬け込むインフュージョンはやっていますし、お酒に漬け込まずに瓶に入れたお酒の上に吊るすだけのエアーインフューズもたまにやっています。

ウイスキーにレモンの香りを付けたエアーインフューズは、並のお酒がワンランク美味しくなりますし、かつ吊るしていたレモンがいい味。料理に使うと非常に美味しい煮込みなどが作れます。

他にも電子タバコを使って精油などを気化させる方法や、レストランでも使っているところありますが、エアーポンプを使って少し粗い泡を作ったり、当然のようにエスプーマを使ったり、カーボネイトシェイカーを使って炭酸を注入したりなどなど様々な道具を駆使してカクテルを作り上げています。

カーボネイトシェイカーのような炭酸飲料を作る道具は僕も結構昔に買って持っていますが、僕が持っているものは良い炭酸が作れず使うのを止めてしまいました。

スティルワインをスパークリングワインに出来たら楽しそうとか思って買いましたが、まず泡が弱い、不自然な泡、加えて液体に対する負荷が大きすぎて味が変わってしまうなどの問題がありました。

多分バーで使っているものもこう言った問題はあるとは思いますが、様々なものを混ぜるカクテルだと、そこまで気にならないのかもしれません。

フードペアリングにも興味はあります。ワインが専門なので、当然ペアリング、マリアージュは意識する部分ですが、カクテルでというのが不思議というか未知の世界。いまだに体験したことはありませんが、世界的な流れのようですし、一度お願いしたいものです(お菓子のペアリングならジャニス・ウォンで体験済み)

進化するバーには、行ったことあるお店もいくつか載っていました。フグレンやコーヒーハウスニシヤといったコーヒー屋や、櫻井焙茶研究所です。

どこのお店もお酒メインでは行っていませんが、お酒にも力を入れているのは知っていますし、より興味が湧きましたね。

フグレンに関しては、以前並んでいるお酒を見て、そんなにこだわりのないバーだと思っていましたが、カクテルに力を入れていたんですね。

バー・ハイ・ファイブ〜BAR HIGH FIVE〜とマスク〜MASQ〜にも行ったことがあります。もちろんカクテルが目当てではなく、バー・ハイ・ファイブは日本のウイスキー、マスクはワインを飲みにです。この本に載っていたマスクのエスプレッソマシンにウォッカを通してインフューズする方法は興味深い。

進化するBARを見て気になったお店は結構ありますが、出来るだけ外に出ないようにしていたので(している)、たくさんは行っていません。

行ったのはミクソロジー・ラボラトリー〜MIXOLOGY laboratory〜とバー・ベンフィディック〜BAR BenFiddich〜です。

ミクソロジー・ラボラトリーは日本でミクソロジーと言えば真っ先に名前が挙がる南雲さんのお店(だそうです)。都内に数店舗お店がありますね。行ったのは東京八重洲のお店。

重厚でバーらしいかっこいい内装。久しぶりのバーだったのでワクワクしましたし、ちょっと緊張も。バーの雰囲気、空気感はやっぱり良いですね。

遠心分離機や蒸留機、食品乾燥機、新型デフューザーなどの機器が揃えられているそうで、そう言った機器を見たかったのも、ミクソロジー・ラボラトリーに行った理由ですが、バックヤードにあるので見えなかったです。上記のもの以外にも食材の保存性を高めるために使う減圧真空機(正確な名前は知りません)も使っていたと記憶しています。

減圧し沸点を下げながら真空にするので、液体であれば沸騰します。これは以前働いていたお店にあったので、ワインに素材の味を付けたり、コーヒーの抽出で試したりしたことがあります。

オススメを三杯ほどいただきました。進化するBARにも紹介されていたガストロ・ショコラ・マティーニは売りのメニューとのことでいただきましたが、これは、フォワグラとウォッカを一緒に蒸留し、ガナッシュを合わせて、グラスごとパラフィンで包んでスモークガンでスモークし、紙で包まれたまま提供されるカクテルです。飲みごたえ充分、香りも非常に豊か、演出も楽しいですね。

ソーテルヌとブルーチーズを合わせたカクテルも面白かったですね。そもそも鉄板のマリアージュであるソーテルヌとブルーチーズを最初から合わせて飲み物だけで完結させたカクテル。普通に食べた方が良い気がしないでもないですが、ミクソロジーの可能性を感じる一杯でした。

バー・ベンフィディックは新宿にあるバーで、ボタニカルカクテルに強い鹿山さんのバーです。有名な方のようですね。進化するBARにはアブサンマニアとも書かれていました。

埼玉県の実家に菜園を作り30種類ものハーブを育てているそうです。森も持っているらしく、育てているハーブや森の植物などを使って、自らお酒に漬け込んだり蒸留したりしているそうです。実際に棚には市販のお酒の他に何だかわからないものが並んでいます。すごく楽しい。

バー・ベンフィディックでもお任せでカクテルを3種類いただきました。セージ、ニガヨモギ、蜂蜜、ライム、炭酸を合わせたカクテルは大きなグラスを使って見た目がとても綺麗。

コーラを再現したフレッシュコーラカクテルも非常に完成度高かったです。ちゃんとコーラの実(コーラナッツ)を使うというからすごい。

ベンフィディック

バー・ベンフィディックはブログもすごい。かなりマニアックで深い。自家製のスーズを作ったり(飲んでみたい)、融点抽出の話も非常に面白い。

ベンフィディック

訪れた日は、コーヒーを蒸留機にかけて透明なコーヒー液を作っていた。少しいただきましたが、これは劣化したコーヒーの香りがしたので、コーヒー好きには難しい気はしましたが、可能性は感じました。

どちらのバーも通って色々と飲んでみたいですし、他のバーにも行ってみたいですね。今の生活のリズム上、難しいですがなんとかたまーには行こうかなとは思っています。

まだまだ先のことではありますが、道具(おもちゃ)を揃えて、ワインを使っていろんなカクテルを作る実験はしたいですね。もう少しワインのことがちゃんとわかってからではありますが(コーヒーも)

先は長い。