コーヒーがやってきた展〜中近東文化センター〜
中近東文化センターでやっている「コーヒーがやってきた展」にようやく行ってきました。アラブコーヒーの日というイベントも行っていたので、同時に。
毎週のように色々とイベントを行っているみたいですが、森光さんのイエメンのコーヒー起源の話でもなく、門脇さんのもかリバイバルカフェでもなく、アラブコーヒーの話を聞きに行く自分がすごい。
ダフニの桜井さんも聞きに来てましたねー。一応声をかけておく。
アラブのコーヒー
アラブではコーヒーをかなりの浅煎りにして、カルダモン(場合によってはサフランやバラ水も)を加えて煮出して飲むようです。それをとても小さなカップで飲むのですが、緑がかった水色のその液体は僕の知るコーヒーではない。
香りも味もすごいね。渋いし…。慣れてきたらだんだん飲めるようになってきたけど、好んで飲む味じゃないなぁ。デーツ(ナツメヤシ)と一緒に食べるのが一般的なようだ。
ほとんどローストしてないくらいの煎り具合。コヒアアラビカのモカマタリが極浅煎りだったりするのは、アラブのコーヒーを意識してのことなのかな?熊本のアローも。
ですが、動画で見せてくれたコーヒー豆を臼で挽くシーンのコーヒー豆は結構深煎り。色々とあるのかもしれない。コーヒー豆を挽く、というか潰す姿はとてもリズミカルで、もう音楽だった。聞いていて楽しいし、それを合図に人が集まってくるようだ。
そんな旧式の臼で挽くのに対して、焙煎はしなくて、結構スーパーとかで買うみたい。何故?
コーヒーの語源といわれるカフワは、ワインを表す言葉でもあったのは知っていたけど、何かへの欲求を減退させるという意味合いがあるのは初めて知りました。アラビア語は、同じ語源をもつ単語グループは特定の意味を共有しているそうで、ワインは食欲を減ずる飲み物(何故?)、コーヒーは眠気を減ずる飲み物なんだそう。
コーヒーと宗教のかかわりも知っているけど、動画なんかを絡めてみると、また違った印象を持ちました。禁欲的に生きるスーフィーが行うズィクル(一定の手順で体を動かしながら神の御名などを繰り返す)を見ると、異様ですごい。コーヒーというもののそもそもの役割、意味を感じる。
煮出し後、コーヒー粉がそこに沈むのを待ってから、小さなカップに注がれるコーヒーは熱すぎてはいけないようだ。熱い料理に息を吹きかけるのがダメみたいね。並々注ぐのも×(もちろんちゃんと理由がある)。
ポットを高く掲げて注がれるコーヒー。こぼさずキレイに注ぐのがすごい。なんかシェリーのベネンシアドールや、中国茶の茶芸師の技にも通じるなぁ。
正直、話をしてくれた井上さんはコーヒーに詳しい方ではなかったし(現地に住んでいた方)、参加している人たちもコーヒー好きというより、文化に興味がある人たちだったけど、なかなか楽しめました。アラビア半島あたりの国ではこういう風にコーヒーを飲むらしいですが(普通のコーヒーもあるみたいだけどね)、他の国々はどういう風にコーヒーを飲んでいるのか気になります。
コーヒーがやってきた展〜標さんのコレクション〜
吉祥寺もか、標さんのコレクションを展示している、コーヒーがやってきた展も楽しめました。前も来たことありますけど、展示品の数が段違い。19世紀のフランスのコーヒーアーンにとても惹かれた。ほしいな。今のサイフォンとは違うナーピア式サイフォン(イギリス19C)も良かった。初めて見ました。焙煎機ですごくかわいいのもあったな。炭焼き用みたいなヤツ。
17cだったと思うけれど、手挽きのミルが色々とありました。それまでは臼だったのかな?正確なことはイマイチわからなかった。色んなところに書かれている説明文、コーヒー豆は焙煎後二週間過ぎると腐敗するみたいなことが書いてあった。まぁいいけどあまりにむごい。
ヨーロッパで使われてた初期のコーヒーカップは日本のものだったみたいですね。全然知りませんでした。友人曰く、日本の昔のそういう技術はかなり高かったよう。江戸時代後期くらいの日本製の小さなデミタスカップ。完全に輸出用だったのかな?
もう一回くらい行ってもいいなぁなんて思いますが、時間的に難しいか。今年はSCAJすら行かないの確定。毎年行っていたんですけどね。仕事が忙しいので。
今はコーヒーより、お酒やお茶に気持ちが向かっているなぁ。