ミュンヒは癖が強すぎる珍コーヒー店だが、クオリティはとんでもない

ミュンヒ〜THE MUNCH〜

大阪&京都の旅、帰りは静岡経由。まずは大阪のコーヒー屋、ミュンヒ。かってない程のインパクトを受けたお店です。行く前からとても濃いコーヒーを出すお店ということは知っていたのですが、ある有名なコーヒー店の方にあそこに行ってもしょうがないよって言われていて、特別期待もなく行きました。

お客さんもいないお店で、どうやって生計をたてているのか心配になっちゃうようなお店でしたし、お話好きのマスターの話が止まらず、コーヒーを注文する前に30分くらいかかりました。

マスターの詩やら、若いころのブロマイドやら(かっこいい)なんだか興味のない話を色々と聞かされ、一緒にいった連れはも帰りたそうな顔(かなりのコーヒー好きなのに…)。

ミュンヒのコーヒーの味

でも出てきたコーヒーを一口飲んで表情が一変しちゃいました。

メニューは標準抽出コーヒー(一般向き)と創作抽出コーヒー(マニア向き)というのがあって、売りは創作抽出コーヒーのスパルタン。これは超濃縮コーヒーエキスで、1キロのコーヒー豆から4時間かけて100cc抽出します。3種類あって、苦味の超ストロング、苦味の酸味のストロング、酸味の甘みとあります。それぞれ値段も違うのですが、例えば苦味と酸味は20ccで1000円、40ccだと1800円となります。

量を考えるととても高いですが、使っているコーヒー豆の量を考えると安いね。他にもスパルタンにクリームを浮かべたシルクロードってのもあります。その他メニューはメチャ多い。

このスパルタン、濃すぎるくらい濃いんだけど、普通に飲みやすい。まとまりがあって刺激がない。やわらかい口当たり。厚み、コク、甘み、酸味、苦味…全てがいい。

ちょっと驚いてしまった。4時間かかるコーヒーだけにつめたいコーヒーです。大きなネルでドリップし、最初は85度から初め、後半は自然に温度が下がり40度って言っていた。3hで最初の一滴が落ちるらしい。そんな気の遠くなる…。

常温で一ヶ月保管できるそうだけど(ほんとか?)、このコーヒーは冷凍しているとか。うーん、よくわからないけどスゴイ。

マスターは5分以内の抽出を標準コーヒー、5分以上を創作コーヒーと言っているらしく、創作コーヒーはオールドビーンズ、または特殊なブレンドでオールドに似せたコーヒー豆でしか作れないとのこと(同じコーヒー豆のロースト度合い違いを混ぜて作るブレンド)。しっかり時間をかけないといい味が出ないらしい。

そしてさらに驚くのが、スパルタンを樽熟成させたもの。行った時は13年物があった。そんなことが可能なのか…。専用の冷蔵庫があって、低温保存。オークの新樽。樽の香りを嗅ぐとコーヒーの香りがする。40ccで5万円で販売しているのですが(今まで見た中で一番高いコーヒーだ!)、一口飲ませてくれました。

非常にトロミのある蜜のようなコーヒー。長年熟成させたバルサミコ酢にも通じるような…。そしてかなり甘い。10年でコーヒーは半分になるって言っていたけど、こんなに甘くなるものか。ほのかとかそんなレベルではなく、シロップのように甘い。メチャクチャ美味い。でもなんでこうなるのかわからないな。

さらにもう一杯サービス。なんとコピルアック。目の前で抽出してくれます。櫓を使ったネルドリップ。20分くらいかかるって言っていたけど、40分はかかった…。もちろんトーク込みで…。

結構適当に見える抽出なんだけど、美味く点てるのはとても難しいらしい。一杯飲んだ後、そのまま抽出を続け二杯目もくれる。それもまだ全然濃い。美味しいけど、先のコーヒーたちが凄すぎて普通に感じてしまった。

カップやグラスもすごくて、マイセンやらバカラやら。500万もするマイセンのカップを使ってくれたりする。焙煎機も3台あるって言ってたな。直火、熱風、半熱風そろっているみたい。

話を聞いていてよくわからないことだらけだったけど、飲んで美味しいから何もいえない。ちょっと価値観が変わってしまったコーヒー屋。とってもクセがあるので、ちょくちょくは行きたくないけど、5年に一度くらいは行きたいな(笑)

ミュンヒの店舗情報

住所:大阪府八尾市刑部2-386

電話番号:072-996-0300

営業時間:6:00〜15:00

定休日:なし