ワインとコーヒーとお茶

ワイン、コーヒー、お茶の違い

コーヒーはワインと似ているって話を結構よく聞く。僕はどちらも好きだけど、正直似てない。(ワインはコーヒーに似ているとは言わないよね…)


でも今のコーヒーやチョコは、味の表現なんかがかなりワインっぽくなっているのは事実。


香りは華やかで、熟したオレンジ、味わいはクリアでコクがある。なめらかなマウスフィールで、甘味をともなったアフターテイストが長く続く…とかいうコメントはワインだろうが、コーヒーだろうが、チョコだろうが通用してしまう。


同じ表現でもたしかに味は違う。ワインとコーヒーという別の飲み物なんだから味が違うのは明らかなんだけど、うまく表現できなかったりする。


表現としては似ちゃうんだけど、確かに違う部分、この言葉では表せない部分こそがもっとも大切なんじゃないかと思ったりしています。


たしかにワインとコーヒーは似ている部分もあるんだけど、それは一部分であって、別に似ていることを強調しなくてもいい気がしてしまう。ワインのソムリエの方たちが、スペシャルティコーヒーの分野に入ってきた影響も大きくあるみたいですね。


でもまぁ本当にワインっぽいワイニーなコーヒーもあるから、なんともいえないけど。


ロバートパーカーさんや、人気醸造コンサルタントの力で、世界中のワインの品質は向上しましたけど、その一方で、個性が失われる、味の画一化が問題となっています。コーヒーも似た道を歩む気がしてならない。


すごく良い影響もたくさんあるんだけど、上手くバランスを取らないと、偏ってしまう。そしてそのことには、なかなか気付きづらい。


ワインの影響でコーヒー豆の品種って部分にも大きなスポットがあたっています。ゲイシャやパカマラをはじめ、モンテクリストとか、ビジャサルチとか、まぁ色んな品種を見かけます。


品種に注目が集まるのは面白いなぁって思う一方で、コーヒー豆の品種は、ワインにおけるぶどう品種とは大きく違うことを理解しておく必要性を感じています。


ワインのぶどう品種は、カベルネにしろ、シラーにしろ、品種固有の味が明確で、地域ごとのテロワールの影響を受けるにしても、品種を見分けることはそれほど難しくはないです。それに比べてコーヒーの品種による味の違いは非常に分かりづらい。分かる人には分かるんだろうけど、まぁ難しい。


分かりやすい品種だと、ゲイシャ種がよくあげられますが、それにしたって、パナマと、マラウィでは違うし、エチオピアのものだって全然味が違う。その土地と結びついた上での味なんですよね。品種は面白い分野ではあるんだけど、変にとらわれないようにしないといけないと感じています。


今度はお茶。まずは紅茶ですが、紅茶とくにダージリンは、農園名で販売されるのが当たり前になっています。これはリーフルってお店の影響が大きいのですが、今ではどこの紅茶専門店に行っても、ダージリンは、農園名で売られています。農園名だけではなくて、グレードごとに細かく分かれていて、値段も全然違う。ダージリン以外の紅茶も農園名で売られているものは少しずつ増えているけど、まだ少数。


日本の緑茶は、また全然違って、多いのはお店名で販売されているパターン。○○園の煎茶とか玉露とか。


一方で今は茶師にも注目が集まっていて、茶師の名前を冠したお茶も増えている。これは茶師が合組したお茶で、合組とはブレンドのこと。日本茶は、この合組によって個性を作っています。


そして単一農園の日本茶もちゃんとあります。品種も、やぶきたが圧倒的に多いですが、あさつゆ、ゆたかみどりなど、たくさんの品種があり、コーヒーの品種よりは個性がわかりやすいと思う(長くなるから中国茶の話はカット)。


それぞれが違った発展をしてきたわけですが、現在の大きな流れではワインに近づいていってる。でも全く同じには出来ないから、いいところは残しつつ、新しいものを取り入れてどう変わっていくのかとっても楽しみです。そしてやっぱり違うから楽しいんだよね。