晏煎、コーヒーの味、雰囲気、内装、全てのバランスの良さ

晏煎

愛知県の老津駅から10数分という田舎でひっそりと営業している晏煎(あんせん)。変な話だけど田舎がよく似合う。歩いてお店を発見できたときの喜びと、佇まいの素敵さ。そして何よりコーヒーが美味しい。

若い店主は一見怖そうなんだけど、情熱にあふれる方で、一本芯が通っている。なんとなく作られた味ではなくて、きちんと構成された味わいのコーヒー。

晏煎のコーヒーメニュー

メニューには国名しか書いてないけど、実際にはスペシャルティグレードのコーヒー豆を使っています。ただスペシャルティに特にこだわりはなく、良いものをつかいたいだけとのこと(コーヒー豆は毎年同じじゃないのでその時のいいものを使う、なので農園名は書けない)。

加えてお店の味が明確で、良い味の豆でも今までと味が全然変わっちゃう場合は使えないとも言っていました。

あるときのブラジルナチュラルのニュークロップはエチオピアのようなフルーティーさがあってブラジルっぽくないので使えなかったらしい。

晏煎のコーヒー焙煎

店主曰く、どのコーヒー豆も個性が生かせる限界の深さまで焙煎しているとのこと。だからコーヒー豆ごとにロースト具合は違う。浅煎りはジャマイカ、ドミニカだけでした。

焙煎は独自のものだけど、唯一影響を受けているのは吉祥寺もかの標さんらしい。3人のお客さんに、もかで修行した?って聞かれたことがあるとか。なんとなく共通する部分を確かに感じる(言われたらだけど…)。

晏煎のコーヒー抽出

晏煎は抽出にもこだわりがあって、コーヒー粉の量や抽出量も銘柄によって変えています(深煎りの方が濃い傾向)。湯温は82度って言ってたと思います。コーヒー豆の保存は冷蔵。長期は冷凍がいいとも。

ネルドリップだけど、そのネルの扱いも徹底していました。コーヒー粉と一緒に煮てから、水に変えて水がきれいになるまで何度も洗うらしい。一日がかりとのこと。使い込まれているネルはとてもキレイ(ネルもらってしまいました。自家製のネルフィルター)。

晏煎のコーヒーの味

エチオピアがなかなか手に入らない状態で、エチオピアらしいコーヒーを表現するために、コーヒー豆の伝播ルートを調べ、ルワンダやケニアを主体にしたフレンチブレンドは、確かにエチオピアのニュアンスがある(まぁケニアっぽさが一番で、ケニアですか?って聞いちゃったけど)。

コーヒーはキレイで雑味を感じないけれど、味がしっかりある。甘さ、ボディの豊かさ…とてもいい。冷めるとより個性を感じるようになる。そういう味わいを目指しているようです。

一口飲んでミルクとか入れられるのはホントは嫌だみたいなことも言っていました。下に美味しい成分が集まっていくとも。

イエメンモカもとても美味しかった。2ハゼまで焙煎したコーヒーだけど、全然深くない。なめらかさ、味わい深さ、酸のバランスがとてもいい。


ある種完璧だなって思うお店。コーヒー豆単体でみると、もっと美味しいコーヒーは他のお店で飲んだ事あるけど、全体的なレベルの高さや、こだわり、お店の雰囲気などを考えると一番好きなお店かも。素敵なコーヒー屋だね。

晏煎の店舗情報

住所:愛知県豊橋市老津町字東中尾10-2

電話番号:0532-29-2580

営業時間:10:00〜19:00

定休日:月曜