豊好園のお茶畑は品種の宝庫
ちょうど今は新茶の時期。というわけで静岡へお茶畑を見に行ってきました。
清水にある豊好園さんです。ここはちょっと面白くて18種類(だっけな?)のお茶の品種を育てていて、それを合組せずに、品種茶にしているんです。
品種の名前を冠したお茶は増えているように思いますが、単一茶園でこれだけの品種茶を作っているところはないのではないでしょうか。
品種茶を始めたのは5代目の片平豊さん。案内してくれたのが息子の次郎さんです。まだとても若い方です。
今年は収穫が遅いようですね。本当はもっと早く行こうと思っていたのですが、この時期になりました。ちょうど忙しくなる前に行けてよかったです。
小雨ですが天気が悪かったので、もしかしたら茶葉の収穫はしないのかなぁなんて思っていたのですが、朝、おおいわせを収穫してくれていました。
蒸し後の乾燥工程から見せてもらったのですが、初めてみる製茶はとても興味深いものでした。蒸しは若蒸しが多く、20~30秒程度とのことなので、若蒸しの中でも特に早いですね。
まずは100度程度の熱風で乾燥。茶葉の温度は34度に保つことが大切とのこと。この工程は特に難しいようで、今は息子の次郎さんがいないと出来ないようです。
その後、揉揉機で圧力をかけながら揉んでいきます。今度はまた別の機械で熱風乾燥。この機械はコーヒーの焙煎機に似ているかな。
乾燥の後は一番面白い揉みながら撚る作業。精揉機を使い茶葉を伸ばしていきます。どの工程も1時間ほどなのですが、精揉機に一時間かけると茶葉がキレイに伸びるのがすごい。この機械優秀だなぁ。見ていて楽しい。面白い動きをします。
どの機械もとても古いもので、今の新しい機械は自動的にお茶が出来上がるようですが、ここでは手で触るなどして感覚を最大限に生かしてお茶を作っていきます。伸ばした茶葉はまた違う乾燥機で水分量を5%程度の荒茶にします。
仕上げの火入れは見てませんが、通常より低い温度(100度以下)火入れし、必要以上に香ばしくしないようです。
各工程1時間ほどかかるので、間にお茶をいただいたり、畑をみせてもらったりしました。新茶はまだ、やぶきただけでしたが、製茶途中の撚る前の、おおいわせもいただきましたし、荒茶にした、おおいわせも飲みました。
同じ、おおいわせでも製茶途中と荒茶とではずいぶん表情が違いましたね。豊好園の茶葉はとても長いです。今まで見た中で一番長い茶葉。
今年のではありませんが、香駿(こうしゅん)もいただきました。
古いお茶というと古茶も色々とありました。05年のお茶などがあり、ヴィンテージ茶の世界です。このヴィンテージも品種茶も、まだきちんと確立したわけではないみたいですが、とても面白い取り組みだと思います。ワイン的ですね。
畑も見ていて飽きなかったですね。山の急斜面にお茶が植えられていたりと、なかなか大変そう。山から見る景色はとてもきれいでした。天気が良かったら、もっと素敵な景観だったのでしょうか。
機械で刈り取りやすいカマボコ仕立てだけではなく、自然仕立てでもお茶を栽培しています。品評会などにだす手摘み用ですね。
色んな品種の茶木を見せてもらいましたけど、言われればってのもありましたが、基本違いがわかりませんでした。難しい…。
お茶は標高や土質を考えて品種ごとに植えられています。一番茶といっても最初の収穫と最後の収穫は、品質的にも値段的にも差が出るようで、そういった意味でも、早生(わせ)晩生(おくて)の品種を色々と植えていることは(早く育つお茶と遅く育つお茶ね)、収穫の時期がずれて、質の高いお茶が作れるようです。
茶畑も製茶もお茶を飲むのも堪能しましたが、もう一つすごく良かったのがタケノコ。タケノコの栽培も行っているようで、取れたてのタケノコは柔らかくてメチャクチャ美味しかったです。お茶もタケノコもまさに鮮度が命。
今度は茶摘みをしたいですね。遠いけどまた来れたらいいなぁ。