フィロコフィア・エチオピア・テツA〜PHILOCOFFEA〜001 Ethiopia TETSU A
フィロコフィアの粕谷さんがエチオピアで行なっているプロジェクトの第一弾のコーヒーを購入してみました。001 Ethiopia TETSU Aというコーヒー豆です。
飲んでみるとこのコーヒーはかなり美味しく、良いものを作るなぁという感想です。
このコーヒーは粕谷さんは自ら精製方法なども決めているらしく、第一弾の今回を起点として、「いつか世界一のコーヒーを作ろう!」というプロジェクトだそうです。
「毎年、改善されていく楽しみを買う」みたいな意識で買って欲しいとのこと。
ダブルアナエロビックウォッシュドプロセスという嫌気性の発酵を2回行う生産処理のコーヒーです。グジのキレンソという農園、在来種。
柑橘ぽさ、ジューシー、透明感、凝縮、静寂。とても良い。
悪い意味でものすごくクリーンでゲイシャのような華やかで甘いコーヒーと説明していますが、それは悪い意味なのか。
すでに完成された味のように思います。ただ狙った味にはならなかったので失敗と捉えているようです。発酵不足だったという見解。
狙ってなくてたまたま美味しく出来たというのは確かに失敗と言えるとは思います。毎年、改善されていく、と言っていますが来年は今年を下回る可能性さえありますね。たまたま美味しく出来てしまったのだとしたらその可能性はあります。
まぁそれは来年にならないとわかりませんが、確かに毎年このコーヒーを買って、粕谷さんがどういう方向に発展させていきたいのか考えるのは楽しそうです。
非常に楽しめたコーヒーですし、これからも期待したいのですが、一方で、世界一美味しいコーヒーとはなんだ?という疑問はあります。
例えば、ワインで考えると、世界一美味しいワインなんて存在しません。ある一つの見方をした時に世界一ならあるとは思いますが。
世界一有名なワインはロマネコンティだと思いますが、確かに知名度と価格は世界一だと思いますが、味が世界一なわけではありません。
確かに完璧なワインで一つの理想形ではあると思いますが、どんな場面でも活躍できる味ではありませんし、あくまで先に書いたように理想形の一つです。
素晴らしいワインにも様々な形があり、各産地ごとにその産地にとって理想的なワインが存在します。
一つの頂点がある三角形のピラミッド型ではないです。階層はあってもその中では並列です。みんなが同じ理想形を目指してワインを作るわけではありません。
コーヒーはどうか。
世界一美味しいコーヒーというのが存在するほどコーヒーは多様性がないのか?基本マリアージュとかは考えないから多様性を見出しにくいのは理解できます。
でもコーヒーはカッピングの点数から離れられないと言いますか、100点を目指している(要はみんな同じ頂点を目指している)感じがあるんですよね。
例えばCOEで1位取ったって世界一ではないし、その国で一番でさえないですね。COEではなくても例えばどこかでのカッピングで100点取ったとしてもそれは世界一ではないですね。いや1つの見方としては世界一ですが、そもそも各要素の点が高いものが美味しいとは限らないですからね。料理でも良い素材を使えば美味しい料理になるわけではないですし)
やっぱりトップの方に示して欲しいのはテロワールですね。作るなら、例えばこのエチオピアなら、グジらしさを突き詰めたコーヒーとかですかね。グジはこういう地域なので、こういった味わいがグジらしいと、示したコーヒーを飲んでみたいです。
色々と書きましたが、本当に美味しいコーヒーでした。粕谷さんはすごい方だと思うので、いつかはそういったコーヒーも期待したいところです。