玄豆屋

玄豆屋〜全国でも屈指の癖のある美味しいコーヒー屋

福島県白河市にあるコーヒー屋、玄豆屋(げんずや)。すごいお店は全国色々とあるが、その中でも異彩を放つとんでもないコーヒー屋だ。

おしゃれでもかっこいいお店でもないが、コーヒーの味は抜群。基本は豆売りのお店だと思うんだけど、2階に喫茶スペースがあり、とても広い。一階の内装雰囲気に比べて、二階はとても素敵だ。なぜかドラムセットがあったりする。カフェというか、飲みたいお客さんが来たら開く場所なんだろうね。

でも絶対お店で飲んだ方がいい。断言します!

だれもいない空間に座っていると、マスターがコーヒー粉を持って上がってくる。目の前で点ててくれるようだ。注文は何もしてません。コーヒー粉の量多いね。50グラムはあるな。カリタ使っていたと思う。最初に少量の湯を太めに。ぷっくり膨らんでいく。10秒くらい経った後に、また湯を太く注ぐ。それを数回。二杯分ほど取る。一杯分は落とせないとのこと。

抽出は温度を計ってもダメのようだ。四季のある日本は、泡の状態などをみて感覚的に加減できないといけない。落ちているコーヒーを見れば出来もわかる。ネルも使うようで、最初は大坊珈琲を真似したとか。

玄豆屋のコーヒーの味

このコーヒーはそれはもう完璧な美味さ。バランスが抜群に良い。何かが突出していることがない。まろやかで嫌味なし。割に濃いけどすっと入る。冷めるとまた味が変化していく。その変わっていく味もまた美味しい。

香りも残りわずかくらいの時が素晴らしく、とても芳醇で濃縮された香。このコーヒーはブレンドのよう。何かはわからない。

水の変わりに中国茶が出てくる。ジャスミンにも似た香り。黄金桂だ。凍頂烏龍などの場合もあるそうです。茶葉が大きい、これも美味い。美味しいコーヒーと中国茶を交互に飲むなんて…。

お茶は縦長のフラスコみたいのに茶葉を入れて(コーヒーも同じものを使っていた)湯を注ぐだけ。金属にふれないから一番美味しいとのこと。

その後、水出しを少しだけ飲ませてもらう。これはさらにすごい。ボリュームのあるアルコール感のようなものがある。香りは複雑で洋酒。旨みがつまっていて少しソルティー。もう少し甘さよりでもいいけどね。まさにエキス。でもなにより香りがぶっ飛んでますね。

店主とはずいぶん長くお話をしました。とても面白い個性的な方で、話の内容も楽しい。職人の話、日本の湿気とヨーロッパとの違い、乾燥したところで飲むコーヒーは美味い話などを絡めて話をしてくれました。

焙煎は店主もやるようですが、相棒がいてその方にまかせているよう。

コーヒー豆を買ってきましたが、その時さわらせてもらったコーヒー豆がとても軽い。上手に水分を抜いているんだなぁ。コーヒー豆は多い量の方が長持ちすると教えてくれた。これは初めて聞きましたね。だから500gの販売に力を入れているそうです。100gでも買えるけど、それでは味がわからないから200gは買ってほしいとのこと。

二種類くらいほしかったんだけど、一種類にしとけと言われる。素直に従います。また買おう。玄豆屋のコーヒー豆は二ヶ月は持つらしい(ホントはもっと持つみたいだけど)。悪くなりかけが一番美味しいとも言っていました。

他にも色々と話をしましたが、こんなところで。すごい情報量でキャパオーバーでした。アルガンオイルなんかも売っていたなぁ。

帰りも長く水出しの香りが余韻として残りました。時間をかけてでもまた行きたいコーヒー屋です。

玄豆屋の店舗情報

住所:福島県白河市道場町29

電話番号:0248-22-7043

営業時間:10:00~20:00

定休日:なし