離れていた間のコーヒー業界の変化

現在のコーヒー

コーヒー

ブログを更新しなかった5〜6年の間はフランスワインにどっぷり浸かっていて、コーヒーのことを調べたりすることはありませんでした。

ブログを再開して、少しづつ調べ始めると、色々と変わったことが見えてきました。

ナインティ・プラス〜Ninety Plus〜

ちょうど更新をやめるくらいの時期から、ナインティ・プラスの名前をよく聞くようになったように思います(創業は2006年)。

ナインティプラスは、畑の小区画ごとの特性や品種を調査し、数種類ある独自の精製方法を組み合わせて、ユニークで明確な香味を持ったコーヒーを生み出しています。

求める香味特性、プロファイルが先にあり、それに合わせて区画、品種、精製方法を選定します。ボルドーワイン的ですね。

ネキセ、ハチラ、チュンべしか飲んだことはありませんが、見事に香味を表現している素晴らしいコーヒーだと思います。

もう何年も飲んでいませんが、久しぶりに味わってみたいです。今はどんな香味特性を持ったコーヒーをリリースしているのでしょうか?ワールド・バリスタ・チャンピオンシップなどのコンテストでも、ナインティ・プラスの高級豆(市場に流通していない)がよく使われるようです。

サード・ウェーブ・コーヒー〜third wave of coffee〜

ここ数年の大きな流れといえばやはりサードウェーブでしょうか?いまだに定義はわかりませんが(ヴァンナチュールなどと同じくスタイルとして認識)、サードウェーブの代表とも言えるブルーボトルコーヒーも店舗が増え、賑わいをみせています。

同じくサードウェーブの代表と言えるフォーバレル・コーヒーは、日本での展開が白紙になって、いまだにお店はないんですね。

ブリュワーズ・カップ〜Brewers Cup〜

コーヒー抽出の大会、ブリュワーズ・カップは、大会自体、割と最近知りましたが、2015年に茨城、コーヒーファクトリーの粕谷哲さんが、世界大会で優勝して注目を集めています。やっぱり世界一になると違いますね。他の年の優勝者との注目のされ方が段違いです。

粕谷さんの独自の抽出理論、4:6メソッドも面白く、僕も何度か試しています。粕谷さんは今はコーヒーファクトリーを辞めて、フィロコフィア〜Philocoffea〜という千葉県船橋のコーヒー屋にいるようです。一度、粕谷さんがドリップしたコーヒーを飲んでみたいですね。今は焙煎もしているよう。

ブリュワーズ・カップを観た知り合いに話を聞いたことがありますが、皆さん試行錯誤して、色んな抽出を考えているようです。

同じような大会のハンドドリップ・チャンピオンシップは、初めて開催された時に観ましたが、その時は微妙な印象を受けました。こちらは世界大会がない分、地味な印象を受けます。きっと色々と改善されて面白い内容になっているとは思います。

コーヒー・ロースティング・チャンピオンシップ〜Coffee Roasting Championship〜

またコーヒー・ロースティング・チャンピオンシップの世界大会でも 2012年に福岡、豆香洞コーヒーの後藤直紀さんが優勝して話題となっています。豆香洞コーヒーのコーヒー豆は一度購入したことがありますが、すごくちゃんとした整った味わいでした。今は後藤さんは同じく福岡のコーヒーマン〜COFFEEMAN〜という別のお店にいるようです。

バリスタ・チャンピオンシップはもともと注目度が高かったですが、他のチャンピオンシップの注目度もここ数年で大きく増しているように感じます。

コーヒー関連のグッズなど

アカイア〜acaia〜

コーヒー関連のグッズでは、数年前にアカイア(コーヒースケール)が登場して、コーヒー抽出を数値化出来るようになり再現性が高まりました。またインターネットに接続して、世界中のバリスタのプロファイルでコーヒー抽出を行なったりも出来るのは楽しいですね。

全自動ドリップマシン drip

中国のdotcomが作った全自動ドリップマシンのdripはインターネットには繋げないのかな?お湯の温度や湯量などはデータとして残せますし、注湯の動きは手書きで設定できるのは面白い。

家庭用焙煎機 The Roast

パナソニックはThe Roastという家庭用の焙煎機をリリースしています。

これは生豆が毎月届き、そのコーヒー豆に合わせたプロファイルも貰えるというサービスです。プロファイルはワールド・ロースティング・チャンピオンシップ優勝経験のある後藤直紀さん(先に紹介した)が作成しています(他のプロファイルもあるようです)。

この焙煎機自体結構高いですから、気軽に購入‥というわけにはいきませんが、色々と遊べそうです。


こういった流れはこれからも加速していくと思いますし、便利な道具は増えていくと思います。でも個人的には遊びとしては良いですが、真剣に使うことはなさそうです。どれだけ数値化しても、再現出来ないことを知っているので‥。

フレンチプレスからプアオーバーへ

10年前とかは一時期、フレンチプレスじゃないとダメみたいな風潮がありました。ドリップ抽出をすると話すと、わかってないとか、コーヒー豆の質が悪いから、ドリップで調整しないとダメなんだ、良いコーヒー豆を使えばフレンチプレスが一番美味しいなどと言ったことをよく言われました。

ペーパードリップやネルドリップは、日本が独自に磨き上げた素晴らしい伝統です(日本発祥ではありませんが)。

コーヒー豆の味わいをそのまま映し出すフレンチプレスもたしかに魅力的です(本当はそのままではなく、ちょっとしたことで味が変わりますが)。ですが、フレンチプレスじゃないとダメみたいな風潮には、苦しい思いをしてきました。

サードウェーブが流行りだし、プアオーバーという言葉とともに、逆輸入的に、コーヒーのドリップは注目を集めだしました。ブルーボトルコーヒーなども、日本の昔ながらの喫茶店のドリップ技術に影響を受けたようですね。

そういった背景も相まって、今までドリップはダメと言っていた人たちも、プアオーバーを支持しだしたのには驚くというかなんというか‥。

日本の今のスペシャルコーヒーを引っ張る方達は、世界(アメリカ)の影響を受けすぎだとも思います。日本らしさをもっと考えないといけない。

ブリュワーズカップなども始まり、本格的に抽出という部分にスポットが当たるようになったのは良いことだと思います。

新しいカフェ、コーヒー屋

昔はスペシャルティコーヒーのコーヒー屋というと、お世辞にも内装がかっこいいとは言えない場合が多かったと思います(良いお店もあったけど)。

ほとんどLCFか味方塾しかないくらいでしたし。コーヒーの質に全てを捧げていますみたいな。

それが、アマメリア・エスプレッソや、ノージー・コーヒー、カフェ・オブスキュラなどが出始めた頃からでしょうか?内装にこだわった自家焙煎店が増え始め、特にここ数年は「映え」を意識せざるを得ない風潮もあいまってか、どんどん洗練されたかっこいいお店が増えてきているように思います。

新しいコーヒー屋はオシャレなお店しかないんじゃないかというくらい。北欧とかオーストラリアなど海外のお店も増え、サードウェーブの流れで空間造りに力を入れる動きは加速しるように思います。

昔はオシャレなカフェというと、コーヒーは美味しくなかったんですけどね。

大箱のロースタリーを前面に出したコーヒー屋も増え、今年はスターバックス・リザーブ・ロースタリーも出来ましたし、今後どんなコーヒー屋が生まれてくるのか楽しみです。

何年も行ってなかったコーヒー屋、カフェに最近はまた少しづつ行くようになったのですが、とても新鮮な気持ちでカフェ巡りをしています。

どのお店も内装も素敵で味も良いから素晴らしいですね。ただ感動するようなコーヒーをだすお店はないかな?味の傾向として似ているのも気になります。

これからのコーヒー

深煎りの時代

堀口珈琲の堀口さんと、丸山珈琲の丸山さんが対談して(かみあったのでしょうか?聞いてみたかった)、堀口さんは、深煎りの時代が来ると言ったそうですが、僕もそう思います。

今でも門前仲町のガムツリー・コーヒーなど、スペシャルティにしては深めの焙煎をするコーヒー屋はありますが、もっと深いコーヒーのお店も増えてくると思っています。岐阜にあるミルみたいなのは例外とは思いますが。昔からありますが、柏のコーヒー・ロースト・スタジオはスペシャルティコーヒーを上手に深煎りにする良いお店だと思います。

フレーバーの強すぎるコーヒー

それから今はフレーバーの強いものが評価されているようですが、それも変わると思います。

ゲイシャは注目されすぎですし、他のスペシャルティコーヒーの高い点のコーヒーもはっきりした味すぎる、わかりやすすぎる感じがあります(ゲイシャ美味しいですけどね)。90年代のワインのようです。ティピシテが感じられないコーヒーです。

現在のワインは自然な造りで造り手の個性がそのまま出ているヴァンナチュールも多いですが、コーヒーもナチュラルな造りのものへの注目はどんどん高まっていくと思います。

90年代はロバートパーカーさんなどの影響から、濃くてはっきりした味わいのワインが世界中に溢れました。今はその反動で、穏やかで品が良く、その土地の味わいを表現したワインが増えています。

コーヒーは生産地と最終的な加工をする場所(焙煎、抽出)が離れているので、ワインと全く同じ方向にはなりにくいと思いますが、少なからずその方向には向かうのでは?と思っています。

それぞれの国、地域の味わいをより表現するようになるはずです。原産地×消費地がコーヒーの味になります。ブラジルのコーヒー豆を日本で飲むなら、ブラジルの個性と日本の個性のかけあわせた味だと思います。

日本で飲むスペシャルティコーヒーなら、日本らしい奥ゆかしさみたいなものが欲しいですね。